» 設計応力のとり方
4-2-1.設計応力のとり方
(1)設計の基本事項
ばねは使用上の空間的制限のもとに機能に対する要求のほかに、使用期間および環境中で十分な強度を持ち、変形や破壊などが生じないという強度に対する要求や、軽量小型であり製造加工が容易で価格が安いという経済上の要求もなされる。ここでは強度的な要求、すなわち変形や破壊防止を考慮した設計応力、材質等について述べる。ばねに生じる変形や破壊の種類は下表1.(ばねに生じる変形や破壊の種類)に示すように変形についてはクリープによるものと過大負荷によるものがあり、破壊については疲れが主な原因となっている。従ってばねの設計においては下表2.(荷重の種類)に示す荷重条件や使用環境の正確な把握が必要である。
表1.ばねに生じる変形や破壊の種類
(2)許容応力の一般的決め方
① 静荷重で使用される場合
静荷重とは、ばねの使用状態で荷重変動のほとんどないもの、また繰返しがあってもおよそ1000回程度以下のもので、この場合ばね変形をおこしたり、その結果荷重低下しなければ良いので、許容応力は材料の弾性限度以内にあれば良い。
静的荷重を受ける円筒コイルばねにおいては、JIS B 2704では圧縮ばねに許容されるねじり応力の基準を下図のように定めている。常用応力としてはこれの80%以下にとるのが望ましい。引張りコイルばねでは低温なましを行わないことがあり、また一般にフックの応力が大きいことを考慮して最大応力を同図の80%、常用応力は同図の64%以下にすることを推奨している。この応力には応力修正係数(ワールの係数)は考慮しなくてよい。
静荷重とは、ばねの使用状態で荷重変動のほとんどないもの、また繰返しがあってもおよそ1000回程度以下のもので、この場合ばね変形をおこしたり、その結果荷重低下しなければ良いので、許容応力は材料の弾性限度以内にあれば良い。
静的荷重を受ける円筒コイルばねにおいては、JIS B 2704では圧縮ばねに許容されるねじり応力の基準を下図のように定めている。常用応力としてはこれの80%以下にとるのが望ましい。引張りコイルばねでは低温なましを行わないことがあり、また一般にフックの応力が大きいことを考慮して最大応力を同図の80%、常用応力は同図の64%以下にすることを推奨している。この応力には応力修正係数(ワールの係数)は考慮しなくてよい。
② 繰返し荷重で使用される場合
繰返し荷重で使用される場合は、多くの実験結果から疲れ限度線図または、これを発展させて考えられる寿命限度線図(図A,図C)を使用するのが合理的である。図中BCDEFの内側が安全範囲であるが、3-7疲れで述べた疲れに影響する諸因子を考慮して許容応力を決めるべきである。 図Cに薄板ばね、図Dにコイルばねの疲れ限度線図の例を示す。