材料に外力を加える時、材料内部に誘起される力を応力という。 応力は普通材料に仮想した断面について考える。例えば右図の棒ABの軸に沿って引張り荷重W,Wが作用したとき、横断面XXを考えれば、もし応力がこの面に作用しなければW,Wなる引張り荷重のために棒はこの面ではなれなければならない。しかし実際は離れないからXXなる断面には、A,Bに作用する荷重W,Wと等大相反する力W1、W2が生じ荷重と釣合っていると考えられる。これが応力であってこの事から応力は断面に於いて等大相反することがわかる。そして応力は断面の一方の部分が他の部分に及ぼす力であって、断面の両側の材料は断面において互いに引き合っていると考えられる。故に応力の大きさと方向とは一方のものをとって表せばよい。
荷重が引張り荷重の時、応力は引張応力、圧縮荷重の時は、圧縮応力、せん断荷重の時はせん断応力という。また、応力の方向と垂直な断面を考えてこの断面積をA[mm2 ] とし、Aに働く引張り荷重をPとすれば、応力σは で表される。 せん断荷重P[N]が物体に加えられた時も同様に、応力の方向と平行な断面を考えてこの断面積をA[mm2] とし、断面積に働くせん断荷重をP[N]とすれば、せん弾力τは で表される。 線径d=3、引張り荷重 P = 1000Nの場合の応力は となる。
せん断荷重P[N]が物体に加えられた時も同様に、応力の方向と平行な断面を考えてこの断面積をA[mm2] とし、断面積に働くせん断荷重をP[N]とすれば、せん弾力τは
線径d=3、引張り荷重 P = 1000Nの場合の応力は
物体に荷重が加わると物体は変化する。この時変化前の形に対する変化の割合をひずみと言う。 右図(a)のように引張り荷重が物体に作用する時は、荷重の加わった方向に伸び、それと直角の方向に縮み、 圧縮荷重が作用するときは、右図(b)のように荷重の方向に縮み、それと直角の方向に太くなる。したがって、物体の初めの単位長さに対するひずみをεとすれば l:物体の初めの長さ λ:伸びまたは縮んだ長さ である。
物体にせん断荷重が加えられるときは右図の点線のように変形する。この時のせん断ひずみγは L:物体の初めの長さ λ:荷重が加わったために変化した長さ φ:荷重が加わったために変化した角度 で表される。
一般に軟鋼を引張った時、荷重と伸びの関係、すなわち応力とひずみの関係は、下図Aのようになる。小さな伸びを与えただけでは、材料の弾性のために、力を除けば元の形に復元するが、ある程度以上でのばすと、全部は復元しないで、永久変形がそのまま残る。図中でA点が元の形に復元する最高限度で弾性限と称し、D点まで変形を与えたときはOA平行なEDに沿って復元し、塑性ひずみ(永久ひずみ)OEがそのまま残る。弾性ひずみの分EFは復元する。図中のB点は上降伏点、C点は下降伏点と称する。 通常のばね材料では、図Aのような応力−ひずみ線図とは異なり、図Bのようにはっきりとした降伏点を示さない場合が多く、降伏点に準ずる塑性ひずみ0.2%の応力を耐力と呼び、σ0.2と表す。弾性限はひずみ0.03%の点の応力とし、σ0.03と表す。せん断応力に対しても同様に、τ0.3、τ0.03と表す。ばねとしては、永久変形を残しては困るから、応力の限界としては、ひずみ0.03%の発生する弾性限界以下で使用されるべきである。
3-2.弾性係数
図A、図Bにおいて、弾性限に至るまでの応力とひずみの関係は、直線であり、その係数をEとすると と表され、その係数Eをヤング率、又は縦弾性係数と呼ぶ。 またせん断変形においても同様に と表され、その係数Gを横弾性係数と呼ぶ。 次に代表的なばね材料の弾性係数の値を下表に示す。
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